2009年9月11日金曜日

白馬岳より撤退

9月10日の事

白馬岳に登り、白馬山荘に泊まりました。

朝、4時 杓子~白馬鑓ヶ岳に縦走の予定で、小屋を出ると、強い風と濃霧です。
しかし、行きたい思いは強く、突き進む決心をしました。

歩き始めて10分、状況は悪化するばかり、寒くてカッパを着て、這う様に歩きました。
30分ほど頑張りましたが、強風の霧は、針の様に頬に突き刺さり、手は凍えて、ストックが握れず、足も前に出ません。

とうとう撤退です。昨日のルートで下山する決心をしました。
とりあえず岩陰にしゃがみ、手を服の中に入れ、擦り合い動くまでに回復させました。
待機しようにも、寒くていられず、下山開始です。
15分戻ると、村営宿舎にたどり着き、ここで明るくなるのを待つ事にしました。↓
フラッシュで撮影したので、明るいですが、実際は、真っ暗です。

日の出予定の5時20分を過ぎても、明るくなりません。
暗くて寒い中での待機は辛く、下山ならできそうと言う事で、歩き始めました。
尾根から大分下がっても、風は強く、足を踏ん張り腰を曲げて、歩きました。↓
霧は大粒で、氷の様に思えました。この朝は、気温も特別下がったそうです。


5時30分頃、突然、下の方から、燃えるような光が差し始めました。 ↓
ご来光です。 ほっとして、とても嬉しかったです。
そして、黒い雲が、劇場の緞子のようにゆっくりと上がって、雲海に山々が浮かび上がりました。↓
素晴らしい風景です。
しかし、其れは束の間、再び黒い幕が、今度は右~左にさっと閉じてしまいました。

その後は、どんどん天気も回復し、順調でした。
登った時と同じお花畑なのに、更に美しく思えました。
9時猿倉に到着。
やっぱり山は甘くないです。とても良い勉強になりました。

山頂付近にいた、イワヒバリ、幼鳥のため逃げようともせず、デジさせてくれました。↓
やっぱり、山はいい。

2 件のコメント:

とも さんのコメント...

綺麗な白馬のお花畑を堪能したばかりなのに、
大雪山系のトムラウシ山の遭難を思い出してしまいました。
無事帰れて良かったですね。

義妹の旦那は、大学時代山岳部でした。
冬の木曽駒に上り、吹雪でビバーグしたそうですが、
朝になって吹雪がやむと、山小屋は、すぐ目の前にあったとか・・・
そんなところで、遭難したら、泣くに泣けなかったよね~
なんて話していました。

お転婆 さんのコメント...

ともさんへ
トムラウシの遭難を思いながら、歩いていました。まだ9月、下では、30℃にもなっていたので油断してしまいました。リックに防寒着を持っているのに、風が強すぎて飛ばされそうで、カッパを脱いで、着ることさえできなかったのです。待機しようにも、尾根で場所もなく、真っ暗で探す事もできません。小屋での待機でさえ、精神的に辛くなり、待てずに下山を開始してしまいました。危険な場所でなかったのが、幸いでした。山って本当に恐い所です。
行かない勇気と決断力必要でした。
でも良い経験になりました。
これからは、引き返えす前に中止します。

吹雪のビバークですか。
考えただけで、ぞっとします。

それでも、山は、呼んでいます。
行きましょう。